『惑星のさみだれ 6巻』読了

惑星のさみだれ 6 (ヤングキングコミックス)

惑星のさみだれ 6 (ヤングキングコミックス)

獣の騎士たちと泥人形との戦いも、いよいよ終盤戦(と言っていいと思うのですが)へ突入。9体目の泥人形、九つ眼:ボエドロミオンとの戦いが繰り広げられるこの巻ですが、サブタイトルが『勇者』。読み終わってみれば、なるほどこれ以上に適切なサブタイトルはあるまいと思わされるお話でした。
作者の水上悟志の作品は初期の頃から読んでいるのですが(『げこげこ』の頃から読んでます)、この方は結構「受け継ぐ」ということを重視されているのかな、とふと思いました。技術や能力だけでなく、生き方といったようなものの「継承」が作品の中で度々見受けられるように思います。例えば『サイコスタッフ』なら光一とその母、『散人左道』ならフブキと法鉄、連載中なのでネタバレは避けますが、『惑星のさみだれ』においても継承が行われます。教え与えてくれた人と別れたり、時にはその人が亡くなっても、受け継いだ者の中に残るものがある。そういうことを、ふと思った訳です。私の場合、個人的にそういう物語が好きなのですがね。
(余談ですが、水上作品における継承って、基本的に年長者から年下の人間へ、ですね。年長者に出来た人間が非常に多いです。ふと思いました。*1

とりあえず、この6巻の感想を一言で言うなら「ネズミの格好良さに惚れた」ですよ。

「おれっちはお前が大っ嫌いだ
 二度とその顔見たくねえ
 だから
 ぜってー死ぬな」


水上悟志惑星のさみだれ 6巻』*2

*1:この項3度目の「ふと思う」ですね。これも、ふと思っただけですが。

*2:水上悟志惑星のさみだれ 6巻』(少年画報社,2008年)p.71-72より引用